最終章 「結果にコミット編」
2016.04.08投資家様向け 山口のひと言
今回が、この連載の最終章「結果にコミット編」です。まず、これを読んで頂く前に、前回、この連載を締めくくる際、株価が再び2万円台を回復していることを切に願っていたのですが・・・結果は皆さんご承知の通り、日経平均株価は今日現在、とうとう危険水域と言われる1万6千円もあっさり割り込み、今季初の7日連続続落に突入してしまいました。
思えば2013年の東京証券取引所で安倍首相が「アベノミクスは買いです」と宣言をし、それこそ国民規模でいや、大企業や郵政、年金機構や日銀までもがこぞって株買いに走った結果、日経平均株価は2万円台突入と言う、まさにこの世の春を謳歌していたのですが、それも今は昔。あの時、安倍さんが散々唱えていた「アベノミクス」が、今はまるで「安心して下さい、穿いてますよ」のような一発屋芸人のフレーズにさえ聞こえてきます。
日銀の黒田総裁が放った「黒田バズーカ」も、「マイナス金利」を打ち出した翌日に一瞬株価を上昇させたものの、結局下げ局面を打開できず。あれよあれよと、見るも無残。屍累々です。「バズーカ」とは名ばかりで、実は紙吹雪が打ち出されるパーティグッズだったんじゃないかと?結果として利益を剥がされた格好になった銀行の株を、さらに下げさせただけでした。
もぉ、安倍首相も黒田日銀総裁も乙武さんもみーんな「やらかした感」満載で、いったいこの国はどうなっちゃうんですかね?「まあ、世界同時株安なので、安心して下さい」と言われそうなので、本題に入りたいと思います。
前回は、中古物件の建物に関するトラブルを色々紹介させて頂きましたが、今回は、入居者に関してお話をしたいと思います。
■ 「めんどい入居者とのトラブル」
新築物件の場合は、よほどの事が無い限り家賃が周辺相場を大きく下回るリスクはありません。しかし、中古物件の場合、年数が古くなればなるほど、家賃も周辺の相場に比べて低く募集されているのが現状です。そして、安い家賃の部屋に集まってくる入居者に限って、色々とトラブルが発生する場合が多いのです。
これは、私が以前在籍をしていた管理会社でのある物件のお話しです。
築25年の木造アパートに住んでいた無職の男が、ある朝、覚醒剤の使用で逮捕されてしまいました。そしてその翌週、なんと別の部屋の入居者が、連続窃盗事件の容疑者として逮捕されてしまったのです。1棟のアパートに二人も犯罪者が住んでいたとは・・・これでは建物への侵入者を防ぐ為の防犯対策など、何の役にも立ちません。犯人は外からではなく既に中にいるのですから。
また他にも、家賃の不払いや近隣住民とのトラブルなど、ともすると「めんどい入居者」が集まりがちです。こうなってしまうと、いくら管理会社が入っていても、物件が事実上「スラム化」してしまうケースがあります。
もし、あなたが、そんな「めんどい入居者」だらけの「スラム化」した物件オーナーになってしまったら・・・
今後待っているのは、「警察による容疑者宅の監視協力と現場への立会」「近隣住民からの苦情受付窓口」「滞納家賃の請求と強制退去のための訴訟手続き」「生存確認のため親族への連絡手配」などなど、考えただけで胃が痛くなってしまう事のオンパレードとなります。トレンドから外れてしまった賃貸物件の恐ろしさが、まさにここにあります。
もちろん中古物件だからと言って、全てが悪い話ばかりではありません。中には良質な入居者と健全にアパート経営を続けているオーナー様も多数存在します。ただ、私が見てきた多くの場合は、オーナー自身が物件の清掃を行うなど、所有している不動産に直接的に介入しているケースがほとんどです。(それを専業としている)もしも、あなたが、仮に本業を持っていて、副業(不労所得)として不動産投資を考えるのであれば、そんなトラブル物件を所有して、精神的に追い込まれるより、新築物件を検討する方が無難だと言えます。
■ 本にも書いていない銀行融資のお話し
では、仮にうまく良い土地に出会い、希望利回りの物件を建築する運びとなったとします。そこで最初にぶつかる大きな関門が、融資を依頼する金融機関です。様々な企画会社のホームページや不動産投資の関連本を読んでみても、意外に触れられていない銀行融資に関するポイントをご紹介したいと思います。
もしも、あなたが全ての費用を手持ちの資金で調達出来るのであれば、この項は飛ばして読んで下さい。
総事業費に対する自己資金の割合は、どの金融機関もおおよそ約20%です。土地、建物を合わせた総事業予算が1億円の場合、用意しなければならない自己資金額は約2千万円になります。もし、その資金が用意出来ない場合、審査は最初から厳しいものになります。他にも次のような条件をクリアしなければなりません。
①給与所得など安定収入が3年以上あること。②過去に返済事故や現在税金の滞納が無いこと。③先にも述べましたが、自己資金を証明(エビデンス)できること。
①と③は、それに満たない場合でも、決して絶対的な事項ではありません。しかし、②の項目に引っかかる場合、これはかなり難しい問題になります。仮に未納の税金がある場合、身内や親戚縁者に借りてでも先に支払って下さい。また、過去に返済事故(ブラック)がある場合、最低5年間は借入を考えるのは遠慮して下さい。(各信用調査会社にデーターが残るのは、おおよそ5年間です。)
これ以上は、なかなか文面では説明出来ませんので、私に直接ご相談下さい。
■ この連載を締めくくるにあたり
不動産投資の価値は購入した物件が必要以上にランニングコストが掛からないように運用できるか。また、入居者を安定的に募集出来るかに掛かっています。逆に言えば、それさえクリアすれば、事業としてはほぼ成功したとも言えます。
変な中古物件を購入し、矢折れ力尽き購入価格の半値で叩き売る事態に陥るより、満室可動の新築物件を所有し、購入価格より高値で売り抜ける道を目指した方が賢明と言えます。
ひょっとすると、これを機に、あなたも「ピケティ」が言っていた、全人口の10%の仲間入りをする事も出来るかも知れません。
不動産企画部 山口
思えば2013年の東京証券取引所で安倍首相が「アベノミクスは買いです」と宣言をし、それこそ国民規模でいや、大企業や郵政、年金機構や日銀までもがこぞって株買いに走った結果、日経平均株価は2万円台突入と言う、まさにこの世の春を謳歌していたのですが、それも今は昔。あの時、安倍さんが散々唱えていた「アベノミクス」が、今はまるで「安心して下さい、穿いてますよ」のような一発屋芸人のフレーズにさえ聞こえてきます。
日銀の黒田総裁が放った「黒田バズーカ」も、「マイナス金利」を打ち出した翌日に一瞬株価を上昇させたものの、結局下げ局面を打開できず。あれよあれよと、見るも無残。屍累々です。「バズーカ」とは名ばかりで、実は紙吹雪が打ち出されるパーティグッズだったんじゃないかと?結果として利益を剥がされた格好になった銀行の株を、さらに下げさせただけでした。
もぉ、安倍首相も黒田日銀総裁も乙武さんもみーんな「やらかした感」満載で、いったいこの国はどうなっちゃうんですかね?「まあ、世界同時株安なので、安心して下さい」と言われそうなので、本題に入りたいと思います。
前回は、中古物件の建物に関するトラブルを色々紹介させて頂きましたが、今回は、入居者に関してお話をしたいと思います。
■ 「めんどい入居者とのトラブル」
新築物件の場合は、よほどの事が無い限り家賃が周辺相場を大きく下回るリスクはありません。しかし、中古物件の場合、年数が古くなればなるほど、家賃も周辺の相場に比べて低く募集されているのが現状です。そして、安い家賃の部屋に集まってくる入居者に限って、色々とトラブルが発生する場合が多いのです。
これは、私が以前在籍をしていた管理会社でのある物件のお話しです。
築25年の木造アパートに住んでいた無職の男が、ある朝、覚醒剤の使用で逮捕されてしまいました。そしてその翌週、なんと別の部屋の入居者が、連続窃盗事件の容疑者として逮捕されてしまったのです。1棟のアパートに二人も犯罪者が住んでいたとは・・・これでは建物への侵入者を防ぐ為の防犯対策など、何の役にも立ちません。犯人は外からではなく既に中にいるのですから。
また他にも、家賃の不払いや近隣住民とのトラブルなど、ともすると「めんどい入居者」が集まりがちです。こうなってしまうと、いくら管理会社が入っていても、物件が事実上「スラム化」してしまうケースがあります。
もし、あなたが、そんな「めんどい入居者」だらけの「スラム化」した物件オーナーになってしまったら・・・
今後待っているのは、「警察による容疑者宅の監視協力と現場への立会」「近隣住民からの苦情受付窓口」「滞納家賃の請求と強制退去のための訴訟手続き」「生存確認のため親族への連絡手配」などなど、考えただけで胃が痛くなってしまう事のオンパレードとなります。トレンドから外れてしまった賃貸物件の恐ろしさが、まさにここにあります。
もちろん中古物件だからと言って、全てが悪い話ばかりではありません。中には良質な入居者と健全にアパート経営を続けているオーナー様も多数存在します。ただ、私が見てきた多くの場合は、オーナー自身が物件の清掃を行うなど、所有している不動産に直接的に介入しているケースがほとんどです。(それを専業としている)もしも、あなたが、仮に本業を持っていて、副業(不労所得)として不動産投資を考えるのであれば、そんなトラブル物件を所有して、精神的に追い込まれるより、新築物件を検討する方が無難だと言えます。
■ 本にも書いていない銀行融資のお話し
では、仮にうまく良い土地に出会い、希望利回りの物件を建築する運びとなったとします。そこで最初にぶつかる大きな関門が、融資を依頼する金融機関です。様々な企画会社のホームページや不動産投資の関連本を読んでみても、意外に触れられていない銀行融資に関するポイントをご紹介したいと思います。
もしも、あなたが全ての費用を手持ちの資金で調達出来るのであれば、この項は飛ばして読んで下さい。
総事業費に対する自己資金の割合は、どの金融機関もおおよそ約20%です。土地、建物を合わせた総事業予算が1億円の場合、用意しなければならない自己資金額は約2千万円になります。もし、その資金が用意出来ない場合、審査は最初から厳しいものになります。他にも次のような条件をクリアしなければなりません。
①給与所得など安定収入が3年以上あること。②過去に返済事故や現在税金の滞納が無いこと。③先にも述べましたが、自己資金を証明(エビデンス)できること。
①と③は、それに満たない場合でも、決して絶対的な事項ではありません。しかし、②の項目に引っかかる場合、これはかなり難しい問題になります。仮に未納の税金がある場合、身内や親戚縁者に借りてでも先に支払って下さい。また、過去に返済事故(ブラック)がある場合、最低5年間は借入を考えるのは遠慮して下さい。(各信用調査会社にデーターが残るのは、おおよそ5年間です。)
これ以上は、なかなか文面では説明出来ませんので、私に直接ご相談下さい。
■ この連載を締めくくるにあたり
不動産投資の価値は購入した物件が必要以上にランニングコストが掛からないように運用できるか。また、入居者を安定的に募集出来るかに掛かっています。逆に言えば、それさえクリアすれば、事業としてはほぼ成功したとも言えます。
変な中古物件を購入し、矢折れ力尽き購入価格の半値で叩き売る事態に陥るより、満室可動の新築物件を所有し、購入価格より高値で売り抜ける道を目指した方が賢明と言えます。
ひょっとすると、これを機に、あなたも「ピケティ」が言っていた、全人口の10%の仲間入りをする事も出来るかも知れません。
不動産企画部 山口